謹んで新春のお慶びを申し上げます。

　昨年は、5月に新型コロナウイルス感染症の分類が５類に移行したこともあり、夏から秋の紅葉シーズンにかけて個人やグループで高尾山に来られるお客様や海外からのお客様が増えた一方、バスツアーなど団体のお客様は以前の水準には戻らず、コロナ禍明け後の回復傾向を実感した一年となりました。そのような中、当社は安全対策を中心に各部門において将来を見据えた取り組みを積極的に実施いたしました。
　鉄道・索道部門では、さらなる安全強化策として鉄道（ケーブルカー）高尾山駅周辺の斜面対策工事を確実に進めるとともに、索道（観光リフト）では各駅の乗車合図器の移設等を行い安全性の向上に努めました。また、地元高尾警察署及び八王子消防署にご指導をいただき沿線における救助訓練や夜間の1号路避難誘導訓練を実施したほか、お客様から要望の多かった各駅トイレの改修工事を実施いたしました。
　事業部門においては、高尾山スミカ各店舗で個人のお客様向け商品（天狗焼、チーズタルト、酒類など）が好調で、特に天狗焼は高尾山のＰＲを兼ねて積極的に出張販売を行い、京王百貨店をはじめとする大手デパートの催事でもご好評をいただきました。展望レストランでは、企業社員等の親睦のための懇親会などで夏季恒例のビアガーデン「高尾山ビアマウント」を多くご活用いただき賑わいが戻ってまいりました。高尾山さる園・野草園では、若手飼育員が中心となり動画配信や英語による解説などを積極的に行った結果、リピーターや海外のお客様が増加しました。また、八王子市内の小学校、幼稚園および保育園に遠足等における教育的活用をご提案いたしました。　
　当社は２０２７年の開業１００年を見据え、今後ともさらなる経営努力を行いながら鉄道、索道部門における安全対策工事や事業部門における施設改修工事等を順次推進し、お客様への安全・安心なサービスの向上に努め、高尾山の魅力を発信してまいりますので、引き続きご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

　今年一年の皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。


　２０２４年（令和６年） 元旦
　　高尾登山電鉄株式会社
　　代表取締役社長　船江　栄次